条件付賃借権設定仮登記がついた不動産の相続登記をした解決事例
状況
①ご相談者のお父様が亡くなった。相続人は配偶者と子1人の計2人。
②被相続人の相続財産のうち、配偶者が預貯金を子が不動産を相続したい。
③亡くなったお父様の戸籍は未取得。
④建物に所有権移転請求権仮登記、条件付賃借権設定仮登記が入っていた。
所有権移転請求権仮登記とは?
「所有権移転請求権仮登記」は、将来不動産の所有権を移す約束をした際に、その権利をあらかじめ登記しておく制度です。
これは、例えば「○月○日に家を買う」と約束したけれど、まだ手続きが完了しない場合に、「将来、私がこの家の所有者になりますよ」という権利を仮に押さえておくようなものです。
一番のメリットは、後から正式な登記(本登記)をした際に、この仮登記をした時点にさかのぼって所有権が認められることです。
これにより、仮登記後に別の人がその不動産を登記してしまっても、あなたの権利が優先されます。
条件付賃借権設定仮登記とは?
「条件付賃借権設定仮登記」は、「もし特定の条件が満たされたら、この不動産を借りる権利が発生する」という約束を事前に登記しておくことです。
将来、条件が満たされて賃借権(借りる権利)を正式に登記(本登記)する際に、その仮登記をした時点にさかのぼって権利の順位を確保できます。
例えば、「借金が返せなかったら、この土地を借りる権利を与える」といった場合に利用され、実質的な担保のように機能することもあります。
注意点ですが、仮登記だけでは、まだ借りる権利を第三者に主張する力はありません。
また、条件が達成されない限り、正式な賃借権は発生しません。
司法書士の提案&お手伝い
①被相続人の戸籍は当事務所で収集が可能である旨伝えた。
②相続人が複数いたので、遺産分割協議書を作成する旨伝えた。
③遺産分割協議書に預貯金と不動産を記載できる旨説明した。
④丁寧に所有権移転請求権仮登記、条件付賃借権設定仮登記の説明を行い、どのように対処すべきかを案内した。
結果
①戸籍を当事務所で取得した。
②遺産分割協議書作成し遺産分割協議書をもとに登記申請を行った。
③条件付賃借権設定仮登記等、普段馴染みのない登記について説明することで依頼者に安心していただきながら進めることができた。
司法書士のポイント
不動産登記は所有権移転請求権仮登記、条件付賃借権設定仮登記など普段馴染みのない権利が入っていることがあります。
不動産登記のプロである我々に相談いただければ丁寧に説明しながら進めることができます。
また、遺産分割協議書は相続人の間で既に作成していることもありますが、実際に専門家が内容を確認すると、相続登記に使用できないものだったりすることがあります。
そのような場合でも、改めてこちらで作成をお手伝いすることも可能です。
当社にご依頼頂けましたら、お忙しい相続人様に変わり戸籍収集から不動産関係の資料も全て収集からお手続きをする事が可能ですので、ぜひ一度ご相談にお越しくださいませ。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。