相続手続と一緒に相続人の住所に誤りがあり更正登記も行った遺産承継の解決事例
状況
① 被相続人はA。
② 相続人は妻Bと子CとD。
③ 相続財産は不動産と預貯金である。
④ 対象不動産はA、B、C、Dで等分で共有している。
⑤ A所有の不動産持分と預貯金はBが全て取得することに遺産分割協議にて決まった。
⑥ 不動産の登記簿謄本を確認すると、A、B、Cの登記簿上の住所に誤りがあることを確認した。
司法書士の提案&お手伝い
① Aの出生から死亡までの戸籍を収集できることをお伝えした。
② 各金融機関より相続手続きの書類を収集し、必要な書類を提出した。
③ 住所の表示が住民票と異なることを発見。修正手段を法務局に確認し、更正登記を行った。
④ 所有権移転登記を行った。登記申請書を作成し、不動産の名義変更を行った。
結果
① 本件に必要な戸籍の収集を行った。
② Aが持っている全ての銀行口座の解約を行い、Bの口座に振り込む手続きを行った。
③ A、B、Dの登記簿上の住所に誤りがあったため、住所更正登記を行い、正しい住所に変更した。
④ Aの相続財産である不動産について、AからBに持分全部移転登記を行った。
司法書士のポイント
住所更正登記とは、登記記録上の所有者の住所が登記した当初から誤っていた場合におこなう登記です。
例えば、所有権移転登記を経た所有者が、登記を経た時点ですでに他の住所に住民票を移していた場合や、住所を一部間違えて登記してしまった場合などが該当します。登記を行う際、登記原因証明情報と呼ばれる必要書類があります。錯誤による住所更正登記の登記原因証明情報は、以下のようなものが必要です。
① 住民票や戸籍の附票
登記した時点ですでに誤っていたことを証明するために、住民票や戸籍の附票は登記受付年月日まで遡るものを添付しなければならないのが原則です。
② 不在籍証明、不在住証明
登記簿上の住所を本籍地・住所地とした同じ氏名の人がいないことを証明するために添付します。
③ 対象不動産の権利証(または登記識別情報)
対象不動産の権利証あるいは登記識別情報を提供させることにより、申請人が所有者であることを証明するために添付します。
法務局の裁量が働く部分であり、登記官が「確かに住所が誤っていた」と認めれば①のみで足りますし、①だけでは住所のみ誤っていたという心証が形成できなければ②③のような他の書類で認めてもらわざるを得ません。
登記をするにあたり必要な書類は各事案ごとそれぞれ異なりますので、何が必要で何が不要か判断するのは難しい所もございます。私共プロにご相談頂きますと、取得すべき書類の取捨選択を容易にできるよう適切なアドバイスをいたします。必要書類の整理が上手くいかない方、何から始めればよいかわからない方など、どんな些細な疑問でもお答えいたしますのでぜひ一度ご来所ください。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。