数年前に死亡した被相続人の納税通知書がきて相続放棄を行った解決事例
状況
① 被相続人はA。5年前に亡くなった。
② 相談者は子B。
③ BはAとは疎遠であった。Aの死亡は、Bの兄からの電話で死亡日当日に知った。
④ Bは、Aが住んでいた自治体から税の納付通知書が届き、未納分の税を払うよう催告を受けた。BはAとは疎遠だったことから、Aに債務があることをこの時初めて知った。
⑤ Bは相続放棄をしたいが、Aの死亡から数年過ぎていたことから、相続放棄ができるのか不安になり、当事務所に相談に来た。
司法書士の提案&お手伝い
① 相続放棄に必要な戸籍などは当事務所で全て取得できることをお伝えした。
② 相続財産がまったくないと信じていて、そのように信じるに足る相当な理由があるときは相続開始(BがAの死亡を知った日)から3ヵ月を経過していても相続放棄の申述が認められることがあることをお伝えした。
結果
① 相続放棄のお手続きのすべてをお任せいただいた。必要な戸籍の収集、裁判所に提出する書類の作成を当事務所の専門家が行った。
② 相続開始から3か月を過ぎていたが、BはAに債務がないと信じていた。しかし、自治体からの催告によってAに負債があり、自身に「相続」があることを初めて知った。このような経緯を専門家が書面に起こし、裁判所に相続放棄の申請を行った。無事申請が受理され、相続放棄が認められた。
司法書士のポイント
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に相続放棄をしなければなりません。この期間を「熟慮期間」といい、相続人は単純承認、相続放棄、限定承認のいずれかを選択する必要があります。
熟慮期間を経過すると、相続放棄は受理されず、債務も含めたすべての財産を相続する「単純承認」をしたものとみなされます。
熟慮期間から3カ月が経過してから督促状が届くなどして初めて被相続人の借金を知るケースは少なくありません。この場合、3カ月という期間が経過している以上、原則として相続放棄はできませんが、例外的に相続放棄ができるケースがあります。
① 被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたこと
② 相続財産の有無の調査をすることが著しく困難な事情があって、①のように信ずるについて相当な理由があること
亡くなってから3ヵ月が経過していると、相続放棄がうまくできない可能性がございます。相続放棄の経験が豊富な司法書士に依頼することがお勧めです。お一人で悩まず、是非ご相談ください。
相続開始を知った日の定義
「相続開始を知った日」とは、相続人が被相続人の死亡を知り、自身が相続人である事を認識した日を指します。相続放棄の「3ヶ月期限」の基準は被相続人が亡くなった日ではなく、この「相続開始を知った日」が基準となります。
相続放棄は当事務所にお任せください
この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。