成年後見人が参加した遺産分割協議:兄弟間の円満な相続解決事例
状況
今回の事例では相続人が3名(長女・長男・二男)の兄弟で、被相続人は父と母。
主な相続財産は以下の通りでした。
• 父と母名義の不動産(土地・建物)
この中で、長女は成年後見制度の利用者であり、成年被後見人に指定されていました。長女の成年後見人は弊所の司法書士であり、遺産分割協議への参加が必要となりました。成年被後見人がいる場合、通常の相続手続きとは異なる法的手続きが必要となるため、注意が必要です。
司法書士の提案&お手伝い
本件では、成年被後見人である長女の財産保護を考慮した適正な遺産分割が重要な課題でした。以下の手順で手続きを進めました。
1. 成年後見人の参加:長女の財産を守るため、成年後見人である弊所の司法書士が遺産分割協議に正式に参加し、長女の代わりに意思決定を行いました。
2. 遺産分割協議書の作成:兄弟間で話し合いが行われ、協議が整った後に、正式な遺産分割協議書を作成しました。この協議書には、後見人の署名と押印が必要であり、そのための法的手続きも同時に進めました。
3. 家庭裁判所への申請:成年後見人が参加する遺産分割協議においては、家庭裁判所の確認が必要です。確認が下りるまでの期間を見越し、スムーズに手続きが進むように、事前準備を万全に整えました。
4. 相続登記手続き:協議の結果、兄弟それぞれが取得する不動産が確定したため、必要な相続登記を行いました。
結果
成年後見人の適切な参加によって、長女の権利が十分に守られた上で、兄弟間の遺産分割が無事に完了しました。特に、後見制度が利用されている場合、遺産分割協議が複雑になることが多いですが、今回のケースでは、全員が合意の上で円満に相続を終えることができました。また、成年被後見人が不動産を相続する場合にも、適正な手続きを経て、問題なく相続登記が完了しました。
司法書士のポイント
成年被後見人がいる相続では、通常の遺産分割協議に比べて、法的手続きが増えるため慎重さが求められます。まず、成年後見人が後見人として遺産分割協議に参加することが必須です。また、後見人が被後見人の財産を守るためには、家庭裁判所の確認を得る必要があり、この手続きが遺産分割の進行に影響することがあります。
今回のケースでも、成年後見人が遺産分割協議に参加することで、長女の権利がしっかりと保護され、全員が納得する形で相続を終えることができました。後見制度を利用している場合、特に複雑な法的手続きや調整が必要になりますが、司法書士のサポートによって円滑に手続きが進みました。
相続に関しては、被相続人の財産内容や相続人の状況によって必要な手続きが異なるため、専門家への相談を早めに行うことが大切です。特に成年後見制度を利用している場合には、手続きに時間がかかることもあるため、計画的な対応が求められます。
相続や遺産分割についてお悩みの方は、ぜひお気軽に当事務所の無料相談をご利用ください。専門の司法書士が親身になってサポートいたします。
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。