相続人が知らない被相続人の認知した子が判明した相続手続きの事例
状況
Aさんは、夫Bさんが亡くなったことで、自宅の不動産の相続登記を行う必要がありました。また、Bさん名義の預貯金の解約手続きも進めるため、司法書士に相談することにしました。
相談の際、以下のような状況が判明しました。
• 亡くなったBさんの名義で不動産(自宅)があり、相続登記が必要。
• Bさんの預貯金口座が複数あり、解約の手続きが必要。
• 相続人は、Aさん(配偶者)と、2人の子ども(Cさん、Dさん)。
• 相続登記や預貯金の解約のため、法定相続情報一覧図の作成を希望。
• しかし、戸籍を収集したところ、Bさんが過去に認知した子(Eさん)がいることが判明。
Bさんの相続人は、Aさん(配偶者)、Cさん・Dさん(子)、さらに認知された子Eさんの計4人となり、Eさんを含めた遺産分割協議が必要になりました。
司法書士の提案&お手伝い
司法書士は、以下の手順で相続手続きを進めることを提案しました。
1. 戸籍収集と法定相続情報一覧図の作成
o Bさんの出生から死亡までの戸籍をすべて取得し、相続人を確定。
o その結果、認知された子Eさんが判明したため、AさんとCさん・Dさんに説明。Eさんの住所を調べて、意向を確認。
o 相続手続きをスムーズに進めるため、法定相続情報一覧図を作成。
2. 遺産分割協議書の作成
o 相続人4人(Aさん、Cさん、Dさん、Eさん)で遺産分割の協議を実施。
o Eさんも遺産分割協議に参加する必要があるため、司法書士がEさんと連絡を取り、協議の進め方を説明。
o 全員の合意のもと、遺産分割協議書を作成。
3. 相続登記の申請
o 遺産分割協議書に基づき、自宅不動産の相続登記を実施。
o Aさんが単独で相続する形となったため、Aさん名義で登記を申請。
4. 預貯金の解約手続き
o 遺産分割協議書を基に、金融機関での預貯金の解約手続きを進める。
o 金融機関ごとに必要書類が異なるため、司法書士が適宜案内しながら進めた。
結果
• 戸籍の確認により相続人が増えたものの、司法書士のサポートによりスムーズに協議を進めることができた。
• Eさんも協議に納得し、Aさんが自宅不動産を単独で相続する形で遺産分割が成立。
• 預貯金の解約手続きも完了し、各相続人へ適切に分配された。
• 相続登記も無事に完了し、Aさんの名義へ変更された。
司法書士のポイント
相続手続きを進める際、被相続人の戸籍をしっかりと確認することが重要です。本件のように、戸籍をたどることで認知された子が見つかることもあります。こうした場合、遺産分割協議が必要となり、相続人全員の合意がなければ登記や預貯金の解約ができません。
特に、相続人同士が交流のない場合や、認知された子と連絡が取れない場合には、手続きが長期化する可能性があります。司法書士が間に入ることで、適切な手続きを進めることができ、スムーズに解決へと導くことができます。
相続登記の義務化(2024年4月施行)により、相続登記を放置すると罰則が科される可能性があります。早めに手続きを進めることが大切です。
まずはお気軽にご相談ください
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。