遺言で証人が必要となった時
遺言書を作成する場合、遺言書の書類によっては、証人が必要な場合があります。
証人が必要とされる遺言書
証人が必要とされる遺言書は自筆証書遺言以外の遺言です。具体的には以下のようなものがあります。
①公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言です
②秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、「内容」を秘密にしたまま、「存在」のみを証明してもらう遺言です
③危急時遺言
危急時遺言は、余命が幾ばくも無い方で今すぐに遺言を残さなくてはいけない場合、病気や事故 などで緊急事態となりすぐに遺言書を作成しないと遺言者の生命が失われてしまう場合など 緊急事態に使われる遺言書の形式です。
④隔絶地遺言
◆一般隔絶地遺言◆
伝染病の為に行政処分によって、交通を断たれた場所にいる人が行う事のできる遺言の事をいいます。
一般隔絶地遺言を行うには、警察官1人及び証人1人以上の立会をもって遺言書を作成する事ができます。
◆船舶隔絶地遺言◆
船舶隔絶地遺言とは、船舶中に在る人は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会で作成できる遺言書の事をいいます。
※遺言の方式によって、証人の行うことは若干異なります。
遺言には普通方式と呼ばれる遺言(自筆証書遺・公正証書遺言・秘密証書遺言)と特別方式(危急時遺言・隔絶地遺言)と呼ばれる遺言がありますが、今回は普通方式の遺言の証人についてのみご説明させて頂きます。
自筆証書遺言 —- 証人不要
公正証書遺言 —- 証人2人以上必要
秘密証書遺言 —- 証人2人以上必要
証人の意義等
証人を設ける目的は、「遺言者本人に間違いがないことを確認するため」、「遺言者が自己の意思に基づき遺言をしたことを確認するため」、「公証役場で公に遺言を作成したことを確認するため」などです。
証人は誰もがなれるというものではなく、未成年者や利害関係のからむ人は証人になれません。
証人になることができない人
証人になるには資格は必要ありませんが、次の人は証人になることができません。
・未成年者
・遺言で財産を譲りうける人、その配偶者、その直系血族
・公証人の配偶者、4親等内の親族
・公証人の書記
・遺言書の内容を読めない、確認できない人
欠格者が同席した遺言の効力
欠格者(証人や立会人になれることができない者)が立会って作成されてしまった遺言はどうなるのでしょうか?
原則としては、遺言全体が無効になると考えられます。ただし公正証書遺言の作成にあたり、民法所定の証人が立会ってる場合に、たまたま証人になることができない者が同席していたとしても、遺言の内容が妨げられたなどの特段の事情がないのであれば、当該公正証書遺言の作成手続は無効であるということはできないといった判例もあります。
遺言者の意思である遺言が無効になる危険を防止する為にも、法定の欠格者のみならず、事実上の欠格者にも該当しない者に証人や立会人なっていただき、同席者にも注意していただくことが良いと考えます。
証人を依頼するときの注意点
証人は、公正証書遺言書の作成当日に立ち会うため、遺言者の遺言内容をすべて知ることになります。したがって、遺言内容を秘密にできる信頼のおける人を証人に選ぶことが重要です。
また、公証役場の営業日は平日のみのため、平日に公証役場へに行くことができる人でなければなりません。
証人が見つからないときは
証人になってもらえる適当な方が見つからない場合があります。
当事務所では証人として立ち会う業務をサポートしています。
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。