海外に住む子供がいる方のための遺言書作成のススメ|手続きの負担を軽減する解決事例

近年、国際結婚や仕事の都合で子供が海外に永住するケースが増えています。ご自身に万が一のことがあった際、相続手続きをスムーズに進められるか不安を感じてはいませんか。実は、相続人の中に一人でも海外居住者がいると、日本の標準的な相続手続きは一気に難易度が上がります。
今回は、海外に住むお子様がいる70代男性の事例をもとに、なぜ遺言書が必要なのか、そして司法書士がどのようなサポートを行ったのかを詳しく解説します。
ご相談時の状況とご家族の不安
今回のご相談者A様は、70代で健康なうちに将来の備えをしておきたいと考え、当事務所へお越しになりました。家族構成と財産状況は以下の通りです。
推定相続人:配偶者である妻B様、長男C様、長女D様の計3名。
財産の概要 :自宅不動産、賃貸マンション2部屋、預貯金2,000万円、証券口座の株式300万円。
大きな懸念点 長女D様が国際結婚をして海外に居住しており、今後日本に帰国する予定がないこと。また、長年連れ添った妻B様にできるだけ多くの財産を残し、老後の生活を安定させたいという強い希望がありました。
もし遺言書がない場合、A様が亡くなった後の相続手続きは「遺産分割協議」から始まります。しかし、海外居住者がいる相続では、以下のような高いハードルが待ち構えています。
印鑑証明書が手に入らない 日本の相続手続きでは実印と印鑑証明書が必須ですが、海外には印鑑登録制度がありません。代わりに現地の日本領事館等へ赴き、サイン証明(署名証明)を取得する必要がありますが、これには多大な時間と手間がかかります。
遺産分割協議書の郵送とやり取り 物理的な距離があるため、書類の持ち回りだけでも数週間から数ヶ月を要することがあります。時差や言語の壁がある中で、複雑な遺産分割の内容を合意するのは、残された配偶者にとって大きな精神的負担となります。
銀行や証券会社の厳格な手続き 金融機関は、相続人全員の意思確認を厳格に行います。書類に不備があれば、その都度海外とやり取りをしなければならず、口座凍結の解除までに膨大な時間がかかるリスクがあります。
司法書士からの3つの提案
A様のお悩みを受け、当事務所では「残される妻B様の負担を最小限にし、かつ海外のD様も納得できる形」を目指し、以下の3点を提案いたしました。
遺言書のコンサルティングサポート 当初、A様は「何を書けばいいのか分からない」という状態でした。そこで当事務所では、単に書面を作成するだけでなく、財産目録の整理から、どのような配分が将来のトラブルを防ぐかを共に考えるコンサルティングを行いました。特に、賃貸マンションの収益を妻B様の生活費に充てるための道筋を明確にしました。
公正証書遺言の作成 偽造や紛失のリスクがなく、家庭裁判所での検認手続きも不要な「公正証書遺言」を選択しました。これにより、A様に万が一のことがあった際、即座に名義変更や預貯金の払い戻しが可能になります。
遺言執行者の指定 遺言書の内容を確実に実行する役割として、司法書士を「遺言執行者」に指定することを提案しました。遺言執行者がいれば、各相続人の印鑑や署名を集めることなく、遺言執行者の権限だけで不動産の登記変更や金融機関の手続きを完結できます。海外にいるD様に負担をかけることなく、すべての手続きをプロが代行する仕組みを整えました。
揉めないための秘策「付言事項」の活用
遺言書を作成する際、もっとも懸念されるのが「家族間の感情」です。法律で定められた「遺留分」などの問題もありますが、それ以上に、なぜそのような配分にしたのかという理由が分からないことが不満の種になります。
そこでA様には、遺言書の最後に「付言事項(ふげんじこう)」を添えることを提案しました。 付言事項とは、法的拘束力はないものの、家族へのメッセージを残せる項目です。
「Dは遠く離れて暮らしているが、いつも心にかけている。お母さんが安心して老後を過ごせるよう、今回は自宅や収益物件をお母さんに多く残すことにした。兄妹仲良く、お母さんを支えてほしい」
このような一文があるだけで、相続人間の心理的な納得感は大きく変わります。A様も、ご自身の言葉で家族への思いを形にできたことで、非常に安心された様子でした。
解決までの流れと結果
ご相談から公正証書遺言の完成まで、約2ヶ月弱というスピーディーな解決となりました。
初回相談:現状のヒアリングと、海外居住者がいる場合の法的リスクを説明。
内容の検討(コンサルティング):財産配分のシミュレーションと付言事項の起案。
公証役場との調整 :司法書士が公証人と内容を調整し、当日スムーズに作成できるよう準備。
遺言書の完成 :A様とともに公証役場へ赴き、公正証書遺言を作成。同時に遺言執行の引き受け契約も締結。
結果として、A様は「これでいつ何があっても、妻や海外の娘に苦労をかけずに済む」と、肩の荷が下りたような笑顔を見せてくださいました。
海外に相続人がいる方が今すぐすべきこと
今回の事例のように、相続人が海外にいるケースでは、遺言書があるかないかで手続きの労力が10倍以上変わると言っても過言ではありません。
もし遺言書がなければ、残された配偶者は不慣れな手続きに追われ、海外の子供は何度も領事館へ足を運ぶことになります。場合によっては、連絡が取れない、あるいは書類が揃わないといった理由で、何年も相続手続きが止まってしまうことさえあります。
私たち司法書士は、法的な書類作成のプロであると同時に、ご家族の思いを形にするパートナーです。
-
子供が海外にいて、手続きがスムーズにいくか心配
-
自分が亡くなった後、妻が困らないようにしたい
-
財産の種類が多く、整理がついていない
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。初回相談では、あなたの状況に合わせた最適な「備え」をアドバイスさせていただきます。
将来の安心のために、今できる一歩を一緒に踏み出しましょう。
川崎・横浜で相続・遺言の相談なら「きずな相続」にお任せください!
離婚したお父様の相続は、感情的な整理がつかないまま手続きを迫られることが多く、心理的なハードルが高いものです。また、現地の状況や財産・負債の状況が分からないことが、さらなる不安を呼びます。
当事務所にご依頼いただければ、複雑な戸籍収集から、負債の確認方法のアドバイス、そして不動産の売却査定の橋渡しまで、あなたが一人で悩むことなく解決できるよう全力でサポートいたします。
-
「疎遠な父の遺産があるらしいが、関わりたくないし不安」
-
「借金がないかだけ、まずは確認したい」
-
「相続した古い家を、できるだけ早く現金化したい」
どのようなお悩みでも構いません。私たちは、知恵と知識と経験をもって、あなたの新しい一歩を支えます。慣れない手続きに振り回されることなく、未来へと目を向けていただけるよう伴走させていただきます。
当事務所のサポート内容
当事務所にご依頼いただければ、相続人の調査から遺産分割協議書の作成、およびその受け渡しを、全てサポートいたしますから、慣れない手続きや書類の準備・作成に振り回されることなく、故人を悼む日々を過ごすことができます。
ややもすれば感情的になりがちな遺産分割についても、冷静にかつ円満に解決できるよう、第三者である専門家が法的なアドバイスを行います。相続をきっかけにして、相続人どうしがいがみ合う、いわゆる「争族」にならないように、知恵と知識と経験でサポートさせていただきます。
相続手続きまるごとお任せプラン(遺産整理業務)の詳細は下記をクリック!
相続・遺言無料相談実施中!
相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは0120-991-880になります。お気軽にご相談ください。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
-
相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
-
司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。























































