自宅敷地の名義を「兄の奥様」に残したい|法定相続人以外への遺贈を公正証書遺言で実現した事例

「長年同居してお世話になっている義理の姉に、この家を残してあげたい」 「でも、法律上の相続人は別にいる……自分が亡くなった後、彼女たちが困ることはないだろうか」
親族関係が多様化する中で、このような「法定相続人(法律で定められた相続人)ではない特定の人」に財産を譲りたいというご相談が増えています。
特に、自宅の土地と建物の名義が分かれている場合、適切な対策をしておかないと、将来的に住まいを追われるリスクさえ生じかねません。
今回は、当事務所がサポートした「同居する義姉に自宅敷地の持分を確実に残すため、公正証書遺言を作成したケース」を詳しく解説します。
義理の兄弟姉妹には「相続権」がないという事実
まず知っておかなければならないのは、日本の法律において、兄の配偶者(義姉)や弟の配偶者などは「法定相続人」には含まれないということです。
今回のケースでは、ご相談者様に配偶者やお子様がいらっしゃらなかったため、もし遺言書がなければ、相続人は「妹様」と「亡くなったお兄様のお子様(甥・姪)」になります。
対策をしない場合のリスク
遺言書がない場合、自宅の土地(持分)は妹様や甥・姪のものになります。
すると、その土地の上に建つ「建物」を所有して住んでいる義姉様は、土地の所有者となった親族から「持分を買い取ってほしい」「地代を払ってほしい」と言われたり、最悪の場合は「土地を売却したいから出ていってほしい」と要求されたりするトラブルに発展する恐れがあります。
今回の事例:複雑な権利関係と同居家族への想い
ご相談者様は、ご自身が所有する土地(持分2分の1)の上に、義姉様が所有する建物が建っており、そこで義姉様ご一家と同居されていました。
解決すべき課題
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相続人の複雑さ: 相続人となる予定の甥・姪が15歳と13歳の未成年であり、もし相続が発生すれば「特別代理人」の選任など非常に煩雑な手続きが必要になる。
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妹様との調整: 妹様が土地の持分を相続した場合、義姉様一家との間で共有状態になり、将来的なトラブルの種になる。
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コストの最小化: 存命中に名義を変える「生前贈与」も検討したが、税金や手数料が高額になる懸念がある。
司法書士の提案:コストを抑え確実に残す「公正証書遺言」
当事務所では、ご本人の「義理の姉一家に迷惑をかけたくない」という想いを最優先し、以下の2つの手法を比較検討しました。
1. 生前贈与
今すぐに名義を変更できるため確実ですが、不動産取得税や高い登録免許税がかかるほか、年間110万円の控除枠を超えると多額の「贈与税」が課されるリスクがあります。
2. 公正証書遺言による「遺贈(いぞう)」
自分が亡くなった時に財産を譲るという内容の遺言を書く方法です。
生前贈与に比べて登記費用(登録免許税)が安く、不動産取得税もかかりません。また、公証役場で作成することで、偽造や紛失のリスクをゼロにできます。
ご本人様と話し合いの結果、費用面と確実性のバランスが最も良い「公正証書遺言」を作成することになりました。
解決までのプロセス
ステップ1:推定相続人の調査と財産の確認
まずは戸籍を収集し、誰が相続人になるかを正確に把握しました。また、土地の持分や評価額を調査し、遺言書に記載する正確な情報を整理しました。
ステップ2:遺言書文面の作成
「土地の持分2分の1を、兄の妻である〇◯に遺贈する」という内容の文面を作成しました。
あわせて、遺言の内容をスムーズに実行できるよう、当事務所の司法書士を「遺言執行者」に指定。これにより、将来相続が発生した際、義姉様が他の相続人の協力を得ることなく、スムーズに名義変更手続きができるようにしました。
ステップ3:公証役場での立ち会い
公正証書遺言の作成には、2名の「証人」が必要です。
利害関係のある親族は証人になれませんので、当事務所の司法書士と事務員が証人を務めました。ご本人様は公証役場へ足を運ぶだけで、複雑な準備はすべて当事務所で手配いたしました。
解決の結果とメリット
無事に遺言書の作成を終えたご本人様は、「ずっと気になっていたことがようやく形になり、本当に安心しました。これで心置きなく毎日を過ごせます」と、大変晴れやかな表情で感謝のお言葉をくださいました。
遺言書を作成したことで得られたメリットは以下の通りです。
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義姉様の住環境の保護: 土地の持分が確実に義姉様に渡るため、将来も安心して住み続けることができます。
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紛争の未然防止: 妹様や未成年の甥・姪と、遺産分割協議を行う必要がなくなります。
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大幅なコスト削減: 生前贈与に比べて数十万円単位での節税・費用削減につながりました。
法定相続人以外に財産を残す際のQ&A
Q. 「遺贈」をすると、他の相続人から文句を言われませんか?
今回のように相続人が「兄弟姉妹(およびその子)」である場合、彼らには「遺留分(法律で保障された最低限の取り分)」がありません。
したがって、遺言書で「全財産を義理の姉に」と書いても、他の親族がそれを覆すことは法的にできません。
Q. 甥や姪が未成年でも、遺言書は有効ですか?
はい、有効です。
むしろ、未成年者が相続人に含まれる場合、手続きが非常に複雑になる(家庭裁判所での特別代理人の選任などが必要)ため、遺言書を書いておくことで、残された方々の事務負担を大幅に減らすことができます。
Q. 公正証書遺言を作るにはどれくらいの期間がかかりますか?
資料の準備から公証役場での作成まで、通常1ヶ月から2ヶ月程度です。
お急ぎの場合は、さらに迅速に対応することも可能です。
川崎・横浜で「大切な人に財産を遺したい」とお考えの方へ
「家族ではないけれど、一番お世話になったあの人に感謝を伝えたい」 「今の住まいを守ってあげたい」 そんなお客様の想いを、確実な法律の形式にするのが司法書士の役割です。
当事務所では、単に書類を作成するだけでなく、税金のリスクや将来の親族関係までを考慮し、お客様にとって最適な「答え」を一緒に考えます。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。


























































