【司法書士が解説!】遺言執行は司法書士にお任せ!不動産の相続登記から預貯金解約までお任せいただいた事例
「父の遺言で遺言執行者に指定されたけれど、姉とあまり仲が良くなくて…」
「仕事が忙しく、複雑な相続手続きを自分で行う時間がない」
故人が遺してくれた大切な遺言書。その内容を実現するために重要な役割を担うのが「遺言執行者」です。
しかし、いざ自分がその立場になると、相続人との人間関係や手続きの煩雑さから、大きな負担を感じてしまう方は少なくありません。
この記事では、実際に当事務所がサポートさせていただいた事例をもとに、司法書士が遺言執行者の代理人として関わることで、どのようにスムーズな相続を実現できるのかを、そのポイントとともに詳しく解説します。
状況:相続人同士の関係が難しく、遺言執行が進まない
先日ご相談いただいたA様(次女)は、亡くなられたお父様の遺言書によって遺言執行者に指定されていました。
しかし、もう一人の相続人である長女B様との関係がうまくいっておらず、ご自身で遺言執行の業務を進めることに強い不安を感じていらっしゃいました。
・遺言執行者: A様(次女)
・他の相続人: B様(長女)
・課題: A様とB様の関係が良好でなく、A様がB様へ連絡したり、手続きの説明をしたりすることが精神的に大きな負担となっていた。
このままでは、せっかくお父様が遺してくれた遺言の内容を実現できず、無駄になってしまうかもしれません。
A様は大変お困りの様子でした。
司法書士の提案&お手伝い:遺言執行者の「代理人」として円満な相続を実現
遺言執行者としてAが動くことがBとの関係上難しかったので、遺言執行者であるAの代理人として司法書士が手伝いすることができることを提案した。
遺言執行者の代理人として、不動産の名義変更や預貯金の解約を行い、Bに預貯金を解約した金額を送金した。
結果
A様のお話を伺い、当事務所は遺言執行者であるA様の「代理人」として、司法書士が相続手続き全般をお手伝いできることをご提案しました。
具体的には、以下のようなサポートを行いました。
司法書士がすべての窓口に
当事務所がA様の代理人として、B様への遺言執行開始の通知や、手続きに関する連絡をすべて行いました。
第三者である専門家が間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静なやり取りが可能になります。
相続財産の手続きを代行
不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約・分配といった、専門知識が必要な手続きをすべて代行しました。
中立的な立場での説明と遺産分配
当初、遺言内容に反発のあったB様にも、司法書士が中立的な立場で丁寧に説明を重ね、最終的にご理解いただくことができました。
その結果、B様から無事に振込先口座の情報を得て、解約した預貯金をお送りすることができました。
最終報告で業務完了
すべての手続き完了後、最終的な財産目録をA様・B様双方に提出し、無事に遺言の内容を実現。
A様の精神的なご負担を大きく軽減することができました。
司法書士のポイント
遺言執行手続きは、執行就任の通知から、財産目録の作成など多岐にわたり、一般の方が遺言執行を行うことは、かなり手間になってきます。
また、折角亡くなられた方が作成した遺言書が、遺言執行者として動くことができないと、ご本人の意思を実現できないことになり、無駄となってしまいます。
忙しい、あるいはほかの相続人とやり取りをしたくない場合には、遺言執行者からさらに代理として司法書士に任せる方が安心して相続手続きを行うことが可能になります。
遺言執行者とは
遺言執行者とは、遺言書の内容を具体的に実現する者のことです。
遺言書に書かれている内容・趣旨にそって、相続人の代理人として相続財産の各種の手続を行い、主に名義変更や金融資産の解約手続き等を行っていきます。
特に相続人同士の仲が悪かったり、相続人の一人が遺言内容に納得していなかったりする場合には遺言内容の実現が滞る可能性が多いです。
せっかく被相続人が残してくれた遺言を無駄にしないよう、相続の専門家を遺言執行者の代理人として指定し、スムーズかつ適切な遺言執行を行うことをおすすめします。
遺言執行者の代理人を依頼するのはどのような場合か
それでは具体的にどのような場合に遺言執行者の代理人を依頼すべきなのでしょうか。
特に次のような方は代理人を依頼することをおすすめします。
仕事をしていて遺言執行をする時間がとれない
相続人同士で連絡が取れにくい(連絡を取りたくない)
遺産が多く、遺言執行者の遺産分けの業務が複雑
遺産の中に不動産があり、登記手続きが必要
相続人のなかで相続する額が異なるため第三者から伝えてほしい
遺言執行者には相続人の方とのやり取りや、各関係先への様々な手続きが必要になります。
さらには手続きを誤ってしまうと被相続人の意向が反映されず、希望通りの相続にならないこともあります。
そのため遺言執行者は出来る限り専門家を代理人に指定することをおすすめしております。
遺言執行者の代理人には誰を選ぶべきか
遺言執行者の代理人でよく指定される専門家はいくつかあります。
それが弁護士や税理士、行政書士や司法書士です。
それぞれの専門家において代理業務の可能な範囲が限られているので一概には言えませんが、少なくとも相続財産に不動産がある場合は当事務所のような司法書士に依頼するのが良いでしょう。
なぜなら相続不動産がある場合は相続登記を行わなければならない(2024年までに義務化される)ため、相続登記を代理でできる唯一の専門家が司法書士だからです。
遺言執行者の復任権について
遺言執行者には親族を指定しているというケースも多く見られます。
しかし、遺言執行者に指定されている方が、病気などの事情でその役割を果たす事が出来なくなった場合、遺言執行者の復任権が適用されます。
簡単に言うと復任権は新たな遺言執行者を任命する権利です。
遺言執行者は「原則復任出来る」
旧民法では遺言執行者は遺言者の信任によって指定するか、家庭裁判所が選任するものであったため、
第3者に任せるのは望ましくないとされていました。
民法第1016条 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。
しかし、平成30年度の民法の改正により上記の法令は改められ、
遺言執行者は、自己の責任で第3者にその役割を任せられるようになりました。
復任権の行使範囲の拡大により、遺産の管理と分配が停滞することなく円滑に進められるようになりました。遺産の保全と適切な分配を保障し、遺言者の想いを確かに実現できるようになったと言えます。
遺言執行の復任権は、遺言実行における法的な安全網とも言える重要な制度です。
遺言についてお悩み毎があれば、是非お気軽にご相談ください。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。