【司法書士が解説】親の不動産登記、名前の漢字が違っていた!相続で発覚した時の解決事例

親の不動産、登記簿の名前の漢字が戸籍と違っていたら?
「相続の手続きを始めたら、登記簿に載っている親の名前が、戸籍と違う漢字になっていた」――実は、相続をきっかけに初めて気づくケースは珍しくありません。
こうした場合、そのまま相続登記を申請しても、「登記簿上の人物」と「亡くなった方」が同一人物と認められず、手続きが止まってしまうことがあります。放置したままだと、売却や次の相続のときにも困ってしまいます。
この記事では、実際にあった数次相続の事例をもとに、登記簿の氏名の漢字が違う場合になぜ問題になるのか、どう解決するのか、手続きの流れ、司法書士に依頼するメリット、よくある質問まで解説します。ご自身の実家の登記簿が不安な方も、ぜひ確認の参考にしてください。
状況
今回ご相談いただいたA様のケースは、以下のような状況でした。
相談者:A様
被相続人:母B様(今回亡くなられた方)、父C様(以前に亡くなられていた方)
相続人:A様お一人のみ
相続財産:建物1棟(母B様と父C様の共有)、土地2筆(父C様の単独所有)
お母様(B様)が亡くなったためご相談に来られましたが、詳しくお話を伺うと、それ以前に亡くなられていたお父様(C様)の相続登記もまだ済んでいない状態でした。このように、最初の相続手続きが終わらないうちに、その相続人が亡くなって次の相続が開始してしまうことを「数次相続」と呼びます。
さらに調査を進めると、もう一つの重大な問題が発覚しました。建物の共有名義人であるお母様(B様)の氏名の漢字が、戸籍謄本の表記と違う漢字で登記されていたのです。
司法書士の提案&お手伝い
A様のご不安を解消するため、当事務所では一つ一つの問題を整理し、以下のご提案とサポートを行いました。
1. 複雑な数次相続の登記手続きを一括代行
まず、未了だったお父様(C様)の相続手続きから着手する必要がありました。C様から法定相続人である母B様と子A様へ、そして今回亡くなられたB様からA様へと、段階的に所有権を移転させる手続きをご提案。相続人がA様お一人のため、遺産分割協議書の作成は不要であることをご説明しました。
2. 登録免許税の免税措置をご案内
数次相続では、通常であれば2回分の登記費用(登録免許税)が必要になるケースがあります。しかし、亡くなった方が受けるはずだった相続登記については、特定の要件を満たすことで登録免許税が免除される特例があります。今回もこの制度が利用可能であったため、A様のご負担を軽減することができました。
3. 相続手続きに必要な書類の収集を代行
A様は銀行での手続きに戸籍謄本などを使用されており、お手元に必要な書類が揃っていませんでした。当事務所では、被相続人であるB様とC様両名の出生から死亡までの全ての戸籍謄本や、相続税申告に必要な評価証明書、登記簿謄本、公図などの取得を代行し、A様が法務局や役所へ何度も足を運ぶご負担をなくしました。
4. 最大の問題「氏名の漢字間違い」の是正(更正登記)
最も専門的な対応が求められたのが、お母様(B様)の氏名の漢字間違いです。権利証(登記済証)を確認したところ、そちらも戸籍とは異なる漢字で記載されていました。このような場合、「登記名義人氏名更正登記」という特別な手続きが必要になります。
当事務所で法務局と綿密な打ち合わせを行い、戸籍謄本や権利証など、氏名の同一性を証明できる必要書類を揃えることで、誤った氏名の登記から直接A様名義への相続登記が可能であることをご説明し、A様のご不安を解消しました。
結果
相続税申告に必要な書類の法務局からの取り寄せをお客様に代わって行ったことで、お客様が個別に進めておられた相続税の申告のお役に立つことができ、喜んでいただけました。また、誤った漢字で表記されていたBからの登記名義をAに移すことができ、お客様のご不安の解消をすることができたため、感謝していただけました。
ポイント
本件は、登記簿上の漢字氏名が戸籍のものと異なっていたもので、権利証に記載されていた氏名も戸籍とは異なる漢字で表記されていました。おそらく、母B及び父Cが自宅を建てた際に登記を入れた司法書士がBの漢字を誤って認識し、そのまま登記をしてしまったのであろうと考えられた事例でした。
登記は司法書士や法務局の登記官等の人間が手続きに関与して行われているため、起きてはならないことではありますが、ミスは起こり得るものだと痛感させられる案件でした。当事務所では、このようなミスが起こらぬように、二重三重のチェック体制を敷いています。
なぜ登記の氏名(漢字)が違うという問題が起こるのか?
登記簿と戸籍で氏名の漢字が違うケースは、決して稀なことではありません。主な原因として、次のようなものが考えられます。
・登記申請時の記載ミス
不動産を取得した当時、司法書士や本人が登記申請書に氏名を誤って記入してしまった。
・法務局の登記官による入力ミス
申請書は正しかったものの、登記官が登記簿に書き写す際に間違えてしまった。
・旧字・新字体の混在
戸籍は旧字体なのに登記は新字体で記載されている、といったケースも多く見られます。
A様のケースでは、ご両親が自宅を建てた際に登記を依頼した司法書士が、お母様の氏名を誤って認識したまま申請してしまった可能性が考えられました。
戸籍収集から登記完了までの手続きの流れ
登記簿の氏名が違う場合も、基本の流れは通常の相続登記と同じです。ただし、途中で「氏名の同一性をどう証明するか」を法務局と確認する工程が加わります。
- ご相談・お見積り:相続人、不動産、登記簿の状況を確認します。
- 戸籍の収集:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本を集めます(数次相続の場合は、亡くなった方それぞれ分が必要です)。
- 不動産の調査:登記簿謄本、固定資産評価証明書、公図などを取得し、登記簿の氏名・住所が戸籍・住民票と一致しているかを確認します。
- 相続関係の整理:相続人を確定し、相続関係説明図を作成します。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書も作成します。
- 氏名の同一性を証明する書類の準備:権利証(登記識別情報)や戸籍など、登記簿上の人物と被相続人が同一人物であることを示す書類を揃え、必要に応じて法務局と事前に打ち合わせます。
- 登記の申請:氏名更正登記が必要な場合は、相続登記とあわせて申請します。
- 登記の完了・書類のお渡し:登記が完了したら、登記識別情報や取得した書類をお渡しします。
司法書士に依頼するメリット
- 氏名の同一性の証明方法を判断してもらえる:どの書類が必要になるかは、事案によって異なります。法務局と協議しながら、適切な書類をそろえます。
- 戸籍収集の手間がなくなる:数次相続など、収集する戸籍が多い場合でも、一括で代行できます。
- 登記費用の負担を抑える提案が受けられる:今回のように、免税措置が使えるかどうかも含めて確認します。
- 相続税申告に必要な書類も取得できる:評価証明書や登記簿謄本などを、まとめて取得します。
- 他の相続手続きも一括して任せられる:預貯金の解約など、不動産以外の手続きもまとめて依頼できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 登記簿の名前の漢字が戸籍と違っていても、相続登記はできますか?
A. できる場合が多いです。ただし、登記簿上の人物と亡くなった方が同一人物であることを証明する書類が必要になります。必要な書類は事案によって異なるため、事前に確認が必要です。
Q. 「登記名義人氏名更正登記」はどのような場合に必要ですか?
A. 登記した当初から氏名が誤っていた場合に、その誤りを正す登記です。名前の変更(結婚による改姓など)の場合は、「氏名変更登記」という別の登記になります。
Q. 旧字体と新字体の違いだけでも、更正登記が必要ですか?
A. 字体の違いの程度によっては、更正登記が不要と判断される場合もあります。個別の判断が必要ですので、法務局への確認を含めてご相談ください。
Q. 費用や期間はどのくらいかかりますか?
A. 不動産の数、相続人の数、収集する戸籍の量、法務局との協議の内容によって異なります。詳しくは、無料相談でお見積りをご案内します。
Q. 自分で手続きすることはできますか?
A. 可能ですが、氏名の同一性の証明や数次相続が絡む場合は、難易度が高くなります。補正や書類の追加提出が必要になることもあるため、専門家にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 相続登記をしないままだと、何か問題がありますか?
A. 2024年4月1日から相続登記は義務化されており、正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。過去の相続も対象です。
【重要】2024年4月1日から相続登記は「義務化」されています
法改正により、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続の開始を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。
正当な理由なく登記を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この義務化は、過去に発生した相続(2024年4月1日以前)にも適用されます(期限は2027年3月31日)。
「うちの親は昔に亡くなったから関係ない」ということはありません。氏名の漢字間違いも、相続登記の義務化をきっかけに発覚するケースが増えるかもしれません。いざ売却しようとしたり、次の相続が発生したりしたときに手続きが止まってしまわないよう、早めに専門家へご相談ください。
相続手続き丸ごとサポート(遺産整理業務)の費用
不動産の名義変更だけでなく、預貯金などの相続に関するあらゆる手続きをまとめて代行します。司法書士が遺産管理人(遺産整理業務受任者)として相続人様の窓口となり、不動産、預貯金、株券、自動車、保険金、年金などの手続きを、ご希望に応じて一括でお引き受けします。
200万円以下:16.5万円(税込)
500万円以下:27.5万円(税込)
500万円を超え5000万円以下:価額の1.32%+20.9万円(税込)
5000万円を超え1億円以下:価額の1.1%+31.9万円(税込)
1億円を超え3億円以下:価額の0.77%+64.9万円(税込)
3億円以上:価額の0.44%+163.9万円(税込)
相続手続き丸ごとサポート(遺産整理業務)について詳しくはこちら>>
まずはお気軽にご相談ください
きずな相続(司法書士法人・行政書士法人エムコミュー)は川崎市溝の口・横浜市たまプラーザの2拠点に事務所を構え、相続の無料相談を行っております。相続について、少しでもご不安だったら、お気軽にご相談ください。
無料相談のご予約はお電話(0120-991-880)、またメールよりお願い致します。
この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数4500件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。























































