被相続人の最後の住所不定で、相続人の一人が未成年者かつ親権者が外国籍であった場合の相続放棄解決事例
状況
①ご相談者の父が亡くなった。相続人は相談者と兄弟2人の計3人。
②被相続人の最後の住所地が、分からなかった。
③相続人の一人は未成年者で、その親権者は外国籍であった。父と母は数年前に離婚している。
司法書士の提案&お手伝い
①被相続人の最後の住所地を調査する方法を検討し、進めていく旨お話しした。
②相続人の親権者が外国籍の場合、特別な書類の提出を求められることがあるが、その場合も対応させていただく旨お話しした。
③最後の住所地を調査したところ、被相続人の最後の住所地が、住民票も戸籍の附票も生前に職権で消除され、住所不定となっていた。
④数年前に被相続人と母は離婚した後、被相続人と連絡を取っていなかったとのことで、被相続人の最後の住所地が不明であった。相続人の戸籍を確認したところ、被相続人の戸籍に相続人全員が入っている状態だった。
戸籍の附票を取り確認したが、既に被相続人は職権消除され、生前から住所不定であり、住民票の除票も取ってみたが、同様であった。
⑤実際に亡くなった場所は病院で、警察から連絡を受けて相続人は被相続人が亡くなったことを知ったとのことで、どういった経緯だったのか、お聞き取りを重ねた。
また、最後の住所地を特定する為の調査で、死亡届を取った。
⑥情報をもとに上申書を作成し、相続放棄を申述する管轄を決めかねていた為、裁判所に事情を話し、調査結果の管轄に申述することになった。
⑦相続人の一人が未成年者かつ親権者(母)が外国籍であった。更に、住民票の名前の表記と戸籍の表記が異なっていた。また、日本語での会話は問題ないものの、日本語をお書きになれないとのことだった。
そこで、まず、表記の件は、上申書に同一人物である旨を記した。また、後者の件は、代筆可能な部分と本人の署名が必ず必要な箇所を確認し、また署名が英語表記でよいことも確認して対応した。
結果
相続放棄を管轄裁判所に提出し、親権者が外国籍の相続放棄についても問題なく手続きを完了させることができた。
司法書士のポイント
本事例では、被相続人には住所はなくこちらで調査させてもらい、管轄を確認し、さらに日本が記載できない外国籍の親権者からの相続放棄申述書を提出するサポートをさせて頂きました。
相続放棄の手続きには、相続が発生していることを知ってから3か月以内に申述しなければならないという期限があり、注意が必要です。
今回の様に、当事務所でも複雑な状況が判明しても、一つ一つ問題をクリアにし、対応させていただきます。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。