自筆証書遺言が形式不備で使えず、公正証書遺言の重要性を痛感した相続登記の解決事例
状況
①相談者Aの父Bが亡くなった。
②Bの相続人は子のA・Cであった。
③Bは賃貸住宅をお持ちで貸し出しを行っていた。
④Cは数十年にわたり、家族と連絡を取っていなかった。
⑤Bに先行して死亡したA・Cの母Dは当事務所において公正証書遺言を作成し、当事務所の司法書士を遺言執行者として指定していたため、比較的容易に手続きが進んだが、Bは公正証書遺言を作成していなかったため、手続きは困難を極めていた。
⑥Bは自筆の遺言書を残していたが、形式不備であり、相続登記には使うことができず、遺言者の意思を実現することが難しいのではないかとAは悩んでいた。
司法書士の提案&お手伝い
①長年連絡の取れていないCに対して、連絡を取り、遺産分割を進めるにあたって、相続に強い弁護士の先生を当事務所でご紹介し、相続登記を当事務所で入れることができる旨、ご説明した。
②その際、先行して発生していたDの相続手続のにて使用していた書類をBの手続きで使用することができ、費用を抑えることもお伝えした。
③賃貸に出していた物件中、賃貸借契約の更新が近い部屋があるため、早期の手続きの完了が求められていた。
結果
①弁護士へ当事務所からCと生前のB・D及びAとの関係性を詳細に引継ぎ、戸籍等の資料を提供したことから、スムーズにCとの連絡を取り合うことに成功し、相続放棄の手続きを取ってもらうことができた。
②その後、相続放棄申述受理証明書を用いて、相続登記を迅速に入れることができ、お客様にご満足いただけた。
③お客様は、自筆証書遺言の形式不備の恐ろしさを痛感されていた。
司法書士のポイント
遺言書には様々な種類があります。中でも公正証書遺言と自筆証書遺言の2種類は皆様耳にされたことがあるのではないでしょうか。
本件では、被相続人が自らの意思を自筆証書遺言という形で遺されていました。しかしながら、形式不備であり、相続手続には使うことができず、弁護士を間に挟まなければ解決できない事態にまで発展してしまいました。
本件では、被相続人の配偶者については公正証書遺言を作成し、スムーズに手続きが進行した後の、二次相続であったため、いかに公正証書遺言が有用であるかが証明された事案でした。
ご自身で調べて作成した自筆の遺言書が使えない、自己の意思が実現されないといったことを回避するためにも、公正証書遺言の作成をご検討されてみてはいかがでしょうか。
当事務所では公正証書遺言作成に向けて様々なプランをご用意しております。ぜひ、ご来所され、ご相談していただければと思います。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。