一人暮らしの高齢の母の認知症対策として家族信託を組成した解決事例
状況
①一人暮らしの高齢の母Aの認知症対策についてのご相談で、長女Bがご来所した。
②過去に弊所で亡父の相続登記を行っていた。
③Aと亡父の間の子は、Bと早逝した長男Cであった。
④Aの推定相続人はBだけである。
⑤Aの財産は預貯金が数千万円と自宅マンションがあった。
⑥Bは母が認知症になった後の「医療費」、「介護費」、「施設入居費」の支払いや、相続税対策について心配していた。
司法書士の提案&お手伝い
①推定相続人は相談者Bだけであったので、「家族信託」の制度をおすすめした。
②家族信託は任意後見制度や法定後見制度と比べて、柔軟性が高いことをAとBにご説明した。
③Aが委託者兼受益者、Bが受託者で信託契約を結ぶことを提案した。
結果
①AとBで信託契約を結ぶことになった。
②信託契約書を公証役場で作成した。
③信託契約をもとに、不動産については名義をBに移してもAが住み続けられるように「所有権移転及び信託」という登記を行った。
④信託契約をもとに、金融資産については今後の生活費を考慮して、一部分を信託銀行に開設した「信託口座」に移した。 ⑤弊所からBに、信託契約組成後の事務管理についての説明し、「信託事務管理ファイル」をお渡しした。
司法書士のポイント
高齢の親が認知症になってしまうと金融資産が凍結されてしまい、ご本人の財産から「医療費」、「介護費」、「施設入居費」を支払うことができなくなってしまいます。また、「相続税対策」として財産に手を加えることもできなくなります。
認知症対策の有名な手法は、「法定後見」や「任意後見」といった制度があります。ただこれら二つの制度は、裁判所に申し立てをする必要があります。また、後見人や後見監督人として弁護士や司法書士といった専門家が選ばれるケースが多いです。専門家が後見人や後見監督人に就任する場合、専門家への報酬として費用が掛かってしまいます。
一方で「家族信託」を使う場合には、裁判所や専門家の関与が要らないうえ、柔軟性の高い資産の運用が可能です。ただし、家族関係や遺留分などの考慮しなければならない点も多く、複雑な制度となっています。弊所にご依頼いただいた場合は信託契約組成から、契約後のアフターケアまで一貫してサポートいたします。
高齢の親の認知症対策をお考えの場合は弊所の無料相続相談をご利用くださいませ。初回1時間、無料にてじっくりとご面談させていただけます。
この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。