被相続人の死亡から1年以上経過後に先順位相続人の相続放棄を知った相続放棄の解決事例
今回は被相続人が亡くなってから1年以上経過した後の相続放棄の解決事例について解説いたします。
相続放棄には、明確に期限が設定されています。
今回ように期限を過ぎてしまっている場合、迫っている場合には専門家への相談を推奨します。
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状況
① 被相続人はA。
② 相談者はAの兄B。
③ Aの死亡は死亡日に知った。
④ Aの法定相続人はAの子C、Dであった。
⑤ C、Dは相続放棄の手続きを行っていた。Bは本来相続人ではないが、先順位相続人であるC、Dが相続放棄したことにより、Bが相続人になっていた。
Bはこのことを偶然知人に聞いたが、すでにAの死亡から約1年経過していた。BはC、Dとは疎遠であったため、直接Aの相続について話す機会はなかった。
⑥ BはAの相続放棄を希望していた。
司法書士の提案&お手伝い
① 相続放棄に必要な戸籍は当事務所で全て取得できることをお伝えした。
② 当事務所が書類作成代理人として、裁判所に提出する書類作成を代理して行うことを提案した。
結果
① 相続放棄の手続きを丸ごとお任せいただいた。必要な戸籍の収集、裁判所に提出する書類の作成を行った。
② 本件の相続放棄の期限は「被相続人が亡くなったことを知った日」から3か月ではなく、「先順位の相続人が相続放棄し、自身が相続人となったことを知った日」から3か月となるため、
期間内に相続放棄の申述をすることができた。無事、BはAの相続放棄が家庭裁判所に認められた。
司法書士のポイント
相続放棄の手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなければなりません。なお、この期間は「熟慮期間」と呼ばれています。
「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、
「①相続人が相続開始の原因たる事実の発生を知り、」かつ、「②そのために自己が相続人となったことを覚知した時」、「③被相続人に相続財産が全く存在しないと信ずるにつき相当な理由がある」と認められるときには、熟慮期間は、相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識し得べき時から起算する」とされています。
このように、「自己のために相続の開始があったことを知った時」の判断は大変難しいので、専門家へのご相談をお勧めします。
当事務所は、数多くの相続放棄のお手伝いをさせていただいており、名実ともに相続放棄のスペシャリストです。相続放棄をお考えでしたら、まずは是非当事務所にご相談くださいませ。
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。