公正証書遺言に不動産記載漏れが発覚したため、遺産分割協議で手続進めた相続登記の解決事例
状況
ご相談者様は、お姉様のご逝去に伴う相続登記手続きを行う必要がありましたが、以下の複雑な事情が絡んでいました。
• 被相続人:ご相談者様のお姉様
• 相続人:兄弟姉妹及び甥姪10名(うち3名は裁判所で相続放棄手続きを完了)(相続人の一人はカナダ在住。)
• 相続放棄者:相続放棄した3名については、相続放棄申述受理証明書を活用し、相続手続きを除外する必要がありました
• 相続の方法:公正証書遺言がありましたが一部の土地が記載漏れであったため、全相続人での遺産分割協議により手続きを進めることになりました
このように、相続放棄が裁判所で認められている方や、複数の遺産分割協議が必要なため、通常よりも煩雑な相続登記手続きが求められる状況でした。
司法書士の提案&お手伝い
当事務所では、相続放棄が含まれる相続登記手続きをスムーズに進めるため、以下のサポートを行いました。
1. 相続放棄申述受理証明書の申請・取得サポート
相続放棄をした相続人の方が正式に手続きから除外されるよう、裁判所で相続放棄申述受理証明書の取得手続きを代行しました。証明書を用いることで相続放棄が確実に認められるため、手続きを進める上で全相続人の同意を確認する際も、放棄者は不要であることが証明されました。
2. 遺産分割証明書の作成支援
相続放棄者を除外した7名の相続人全員で遺産分割証明書を作成しました。遺産分割協議に基づき、相続する不動産の名義変更を進める形で手続きを行うため、相続放棄申述受理証明書を確認しつつ、適切な記載内容で書面をまとめました。
3. 登記手続きでの証明書提出
相続放棄者の証明書は、法務局への登記申請時に併せて提出し、相続放棄者を除いた相続人のみでの登記申請が認められるよう手続きを進めました。証明書の提出により、相続放棄した3名が相続から除外され、遺産分割証明書に基づき円滑に名義変更が行われる形となりました。
4. 疎遠な相続人や海外在住者への配慮
疎遠であったり海外在住の相続人にも配慮しながら、手続を行いました。カナダ在住の相続人にサイン証明を取得してもらうため、弊所でできる限りサポートをしました。
結果
結果として、以下のように相続登記が無事に完了しました。
• 相続放棄者を除いた登記完了:相続放棄申述受理証明書を使用することで、相続放棄した3名が正式に相続手続きから除外されました。
• 遺産分割協議書による相続人への名義変更:残る7名の相続人の合意に基づき、不動産の名義が円滑に変更されました。
• 疎遠な相続人や海外在住者も含めた協議成功:当事務所のサポートにより、無事に相続登記が完了しました。
司法書士のポイント
本件では、相続人が多く、さらに相続放棄者がいたために手続きが複雑化していました。相続放棄者がいる場合、法的にその方を手続きから除外するためには「相続放棄申述受理証明書」を裁判所から取得することが必須です。この証明書を用いることで、残る相続人のみで協議を行い、登記手続きもスムーズに進めることができます。
本件は公正証書遺言がありましたが、不動産の記載漏れがあったため、結局遺産分割を行わなくてはなりませんでした。公正証書遺言が使ってお手続ができていれば、カナダ在住の相続人にサイン証明をお願いすることもなく、お手続が可能でした。遺言書作成の際に、しっかり財産調査を行って作成していれば、このようなことにはなりませんでした。
相続人が多くなるほど、連絡調整や書類作成が煩雑になるため、専門家のサポートが重要です。当事務所では、相続登記に関する複雑なケースでも安心して手続きを進めていただけるようお手伝いをしております。また、遺言書作成のお手伝いも行っております。相続手続き・遺言書作成でお悩みの方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。