20年前に亡くなった父の地方不動産を相続|放置のリスクと専門家による解決事例

ご家族が亡くなった際、悲しみの中で多くの手続きをこなすのは大変な労力を要します。特に、相続財産が遠方の地方にある場合や、相続発生から長い年月が経過している場合、「何から手をつければいいのかわからない」と放置されてしまうケースが少なくありません。
しかし、2024年4月から「相続登記の申請」が義務化されました。過去に発生した相続についても遡って適用されるため、20年前の相続であっても放置することはできません。
本記事では、三重県にある父名義の不動産を、川崎と京都に住む姉妹が20年越しに名義変更した具体的な解決事例をもとに、手続きのポイントを詳しく解説します。
事例の概要:20年放置した父の遺産と母の二次相続
今回のケースは、以下のような状況でした。
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被相続人
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20年前に父親が死亡、その後今年になって母親も死亡。
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相続人
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長女(川崎市在住)、次女(京都市在住)の2名。
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相続財産
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三重県内にある自宅不動産。
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課題
- 相続発生から20年が経過し、書類の保存期間が経過している可能性があること。また、相続人が三重県から離れた遠方に住んでいること。
このような「数次相続(相続が重なること)」が発生している場合、手続きは通常よりも複雑になります。
父親の相続分と母親の相続分を整理し、現在の相続人である姉妹がどのように遺産を分けるかを決める必要があるからです。
20年経過した相続登記の難しさと注意点
相続から20年が経過していると、通常の相続登記とは異なる「壁」がいくつか立ちはだかります。
1. 住民票の除票や戸籍の附票の廃棄
登記手続きでは、亡くなった方の「最後の住所」と「登記簿上の住所」を一致させる必要があります。
そのために「住民票の除票」や「戸籍の附票」を取得しますが、これらには保存期間(原則150年、以前は5年だった自治体も多い)があります。20年前となると、自治体によってはデータが廃棄されており、住所のつながりを証明できない場合があります。
この場合、上申書の作成や他の疎明資料の準備が必要になります。
2. 戸籍収集の広域化と複雑化
20年の間に、相続人の状況も変わります。本籍地が転々としている場合、それぞれの自治体から戸籍謄本を取り寄せる必要があります。
今回は姉妹がそれぞれ遠方に住んでいるため、郵送による請求を繰り返す必要があり、一般の方がご自身で行うには多大な時間と手間がかかります。
3. 数次相続による遺産分割協議
父親の相続が終わる前に母親も亡くなっているため、母親が持っていた「父親の遺産を相続する権利」も姉妹が引き継ぎます。
これを数次相続と呼びますが、遺産分割協議書には「父の相続」と「母の相続」の両方の意味を含ませた記載が必要となり、法的な専門知識が不可欠です。
司法書士による解決策:オンライン申請と徹底した調査
当事務所では、遠方の不動産かつ長期経過案件に対し、以下のステップでサポートを行いました。
ステップ1:職権による戸籍・住民票の網羅的調査
司法書士は職権で全国の戸籍等を取得することが可能です。
20年前の父親の代まで遡り、今回の相続に関わる全ての戸籍を収集しました。
案の定、一部の住民票が廃棄されていましたが、権利証(登記済証)の確認や、不在住・不在籍証明書の取得を組み合わせることで、法務局が受理できる書類を揃えました。
ステップ2:遺産分割協議書の作成代行
川崎にお住まいの長女様、京都にお住まいの次女様、それぞれと連絡を取り、ご意向を確認しました。
三重県の実家を今後どう活用、あるいは処分するのかを踏まえ、将来の紛争を防ぐための最適な遺産分割協議書を作成。署名捺印の受け渡しも郵送でスムーズに行えるよう手配いたしました。
ステップ3:遠方不動産へのオンライン登記申請
かつては不動産の所在地を管轄する法務局へ直接出向くか、書留郵便で送付する必要がありましたが、現在は「オンライン申請」が主流です。
当事務所から三重県の法務局へ電子的に申請を行うことで、交通費や移動時間をかけることなく、迅速に名義変更を完了させることができました。
相続登記義務化による罰則への対応
2024年4月の法改正により、相続登記は「相続を知った日から3年以内」に行うことが義務付けられました。正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料(行政罰)が科される可能性があります。
「20年前の相続だから関係ない」と思われるかもしれませんが、この法律は施行日前に発生していた相続にも適用されます。今回のご依頼者は、お母様の逝去を機に、放置していたお父様の名義変更にも着手されたため、この義務化のリスクを完全に回避することができました。
遠方の不動産相続を放置するリスク
地方にある実家や土地を放置し続けると、以下のようなトラブルに発展する恐れがあります。
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売却や活用ができない:
亡くなった方の名義のままでは、不動産を売ることも、リフォームローンの担保に入れることもできません。
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二次・三次相続による権利の複雑化:
さらに10年、20年と放置すると、相続人の一人が亡くなり、その子供(孫)が相続人になります。会ったこともない親戚と遺産分割協議をしなければならなくなる可能性もあります。
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空き家問題と維持管理責任:
誰も住んでいない地方の不動産が老朽化し、近隣に迷惑をかけた場合、所有者として損害賠償責任を問われることがあります。
解決の結果:遠方の不動産でもスムーズに完了
今回のケースでは、ご依頼から約1ヶ月半で三重県の不動産名義変更をすべて完了させることができました。
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戸籍収集の負担ゼロ:
全国の役所とのやり取りはすべて司法書士が代行。
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遺産分割の円満解決:
専門家が間に入ることで、姉妹間でも感情的にならず、法的にクリーンな書面を作成。
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コストの最適化:
三重県への出張費用などをかけず、オンライン申請を活用することで実費を抑えた。
川崎・横浜にお住まいの方で、地方の不動産相続にお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。
「遠すぎてどこに相談すればいいかわからない」「昔のことすぎて書類がない」という場合でも、まずは専門家にご相談ください。
相続登記に関するよくある質問(FAQ)
三重県の不動産ですが、神奈川の司法書士に依頼できますか?
はい、可能です。登記申請はオンラインで行うため、全国どこの不動産であっても、神奈川の事務所で手続きを完結させることができます。
20年前の権利証(登記済証)を紛失していても大丈夫ですか?
問題ありません。権利証がない場合でも、「本人確認情報」の作成や法務局からの「事前通知」という制度を利用することで、安全に登記申請を行うことができます。
姉妹で分け方が決まっていませんが、相談に乗ってもらえますか?
もちろんです。不動産を共有にするのか、どちらか一人が相続して代償金を支払うのか(代償分割)、あるいは売却して現金を分けるのか(換価分割)など、それぞれのメリット・デメリットをご説明し、円満な合意をお手伝いします。
川崎・横浜で相続・遺言の相談なら当事務所にお任せください!
当事務所では、相続人の調査から遺産分割協議書の作成、そして名義変更登記まで、一貫してサポートしております。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。























































