同居している親の家をスムーズに相続する生前対策5選!遺言・家族信託から節税特例まで司法書士が解説

「ずっと親と同居してきた実家。親が亡くなった後もそのまま住み続けたいけれど、兄弟から財産を分けてほしいと言われたらどうしよう……」
親と同居している方にとって、実家の相続は生活の基盤に関わる切実な問題です。実は、川崎・横浜エリアのご相談でも、相続財産の大半が「不動産(実家)」である場合、遺産分割をめぐって親族間でトラブルになるケースが非常に多く見られます。
そのまま実家に住み続けるためには、親が元気なうちからの「生前対策」が不可欠です。今回は、同居する親の家をスムーズに引き継ぐための5つの生前対策について、相続専門の司法書士が分かりやすく解説します。
なぜ同居の家は相続トラブルになりやすいのか?
具体的な対策を見る前に、なぜ実家の相続がもめやすいのかを知っておきましょう。
主な理由は以下の3点です。
不動産は均等に分けにくい(物理的に半分に割ることができない)
他に分けるほどの預貯金がない場合が多い(同居していない兄弟姉妹が「自分の取り分(法定相続分)」を主張した場合、お金で代償するか、家を売却せざるを得なくなる)
親が認知症になると不動産が「凍結」される(売却や大規模なリフォームなどができなくなる)
こうした事態を防ぐためには、以下の5つの対策を組み合わせることが有効です。
対策①【遺言書の作成】誰に家を残すかを明確にする
最も基本的で効果的な対策が「遺言書」の作成です。
親に「実家の土地・建物は、同居している長男(長女)に相続させる」という内容の遺言書を書いてもらうことで、原則として遺産分割協議(相続人全員での話し合い)を経ることなく、スムーズに名義変更手続きを行うことができます。
◆注意点:遺留分(いりゅうぶん)への配慮
兄弟姉妹には、最低限の財産を受け取る権利である「遺留分」があります。遺言書を作成する際は、他の兄弟姉妹の遺留分を侵害しないように預貯金を配分する、あるいは付言事項(なぜ長男に家を相続させるのかという親の想い)を書き添えるなどの工夫が必要です。
対策②【家族信託】親の認知症による「実家の凍結」を防ぐ
近年非常に注目されているのが「家族信託」です。
親が元気なうちに、実家の「管理・処分の権限」を同居する子に託す契約を結びます。
これにより、万が一親が認知症になって判断能力を失った後でも、子は自分の判断で実家をリフォームしたり、将来的に親の介護費用が必要になった際に実家を売却したりすることが可能になります。
対策③【生前贈与】親が元気なうちに名義を変えておく
親が生きているうちに、実家の名義を子へ移してしまうのも一つの手です。
ただし、通常の贈与では高額な「贈与税」や「不動産取得税」がかかる可能性があります。そこで、「相続時精算課税制度」を活用することが考えられます。
これは、2,500万円(※要件あり)までの財産を非課税で贈与でき、親が亡くなった際に相続財産に足し戻して相続税を計算する制度です。将来の相続争いを早期に防ぎたい場合に有効です。
対策④【小規模宅地等の特例】相続税を大幅に節税する
もし相続税がかかる規模の財産がある場合、同居していること自体が大きな節税のチャンスになります。
「小規模宅地等の特例」という制度を利用すると、亡くなった親と同居していた親族が土地を相続する場合、一定面積(330㎡)まで土地の評価額がなんと「80%減額(2割の評価)」になります。
たとえば、5,000万円の評価額の実家の土地が、1,000万円として相続税計算される非常に強力な特例です。
ただし、特例を利用するには「相続開始前から同居していること」「申告期限まで住み続け、その土地を所有していること」など厳格な要件があるため、事前の確認が必須です。
対策⑤【生命保険の活用】代償分割のための現金を準備する
遺言書で「家は同居の子が相続する」と定めても、他の兄弟姉妹に渡す預貯金がない場合、トラブルになりがちです。
そこで、家を相続する子が他の兄弟に現金を支払う「代償分割(だいしょうぶんかつ)」という方法が取られます。この現金を準備するために効果的なのが「生命保険」です。
親を被保険者、受取人を「同居している子」として生命保険に加入しておけば、親が亡くなった際、子は死亡保険金を直接受け取れます。この保険金は遺産分割の対象外となるため、そのまま兄弟への「代償金」として支払う資金に充てることができます。
まとめ:実家の相続対策は「親が元気なうち」が鉄則!
同居している親の家をスムーズに相続するための5つの対策をご紹介しました。
遺言書で意思を明確にする
家族信託で認知症リスクに備える
生前贈与で確実な権利移転を検討する
小規模宅地等の特例で税金を抑える
生命保険で代償資金を確保する
どの対策が最適かは、ご家族の資産状況や兄弟間の関係性によって全く異なります。また、これらの対策は「親に十分な判断能力があるうち」でなければ実行できません。
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この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
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相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
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司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。























































