「相続登記」が義務化します!【司法書士が”注意すべきポイント”を徹底解説!】
相続登記の義務化で何が起こるの?
2021年4月21日に「民法不動産登記法(所有者不明土地関係)」の改正等に関する要綱案が成立しました。
これにより相続を知った日から3年以内に、相続した土地や建物の登記申請の義務化が始まりました。
そして、義務化に伴い罰則も規定されました。
「義務化」とか「罰則」と聞くと恐ろしく聞こえますね。
しかし、この法律は高齢化社会の日本に必要不可欠なものなのです。
相続登記義務化の法整備の背景
全国で所有者不明の土地は年々増加しています。
関係省庁をオブザーバーとする民間プラットフォーム「所有者不明土地研究会(座長・野村総研顧問増田寛也氏)」によれば、日本の所有者不明土地は日本の国土ののうち410万haにのぼると推計されています。
なんと所有者不明の土地面積は九州の面積よりも広いです。
しかも、この数は年々増え続けており、このままでは2040年には国土の720万haになる見込みです。
北海道の780万haに追いつきそうです。
では、所有者不明土地が増えるとどんな問題がおこるのでしょうか。
国土交通省がいくつかの具体的な事例が紹介しています。
いくつか見ていきましょう。
所有者不明土地の具体例
まずは国の国道開発事業の時に発生した所有者不明土地の問題です。
国が取得しようとしている土地の登記簿の記録によれば所有者は明治生まれの女性(故人)でした。
そしてその女性の相続人の数はなんと148人!
結局、8名の戸籍が分からず、平成24年に用地交渉を開始してから解決に3年もの月日を要しました。
これでは道路の完成にも影響が出てしまいます。
国道事業だけではありません。
災害対策事業にも影響は出ています。
急斜面地の崖崩れ対策事業も所有者不明土地問題に行く手を阻まれます。
民家のすぐ裏手の崖を崩落防止しようと自治体が事業計画を立てました。
しかし、地権者を調べていくと47人が判明しましたが、そのうちの多くがすでに亡くなっていました。
そして相続登記はされていませんでした。
これにより相続人調査が始まり、現在も工事は開始されておりません。
人命にもかかわる問題ですので早急な対策が取られることを願います。
こんな風に放置された土地は、私たちの生活にも影響を及ぼし、そして時に牙をむくのです。
こういった背景を踏まえ、所有者不明土地の取引の機会を増やし、休眠状態にある不動産の流動性を高めるべく今回の法整備は行われました。
そして、制度の実効性の担保のため罰則が設けられました。
登記の義務化と罰則
今回の義務化で「どんな時に罰せられてしまうのか不安だ」とか「気づかないうちに違法なことしていないか心配だ」をという声をよく耳にします。
そこで具体的にみていきましょう。
罰則を受ける可能性がある具体的なケース
不動産を相続したケース
まず相続です。
どなたかが亡くなり、あなたが相続人となって不動産を取得したとします。
そんな時、あなたは不動産取得を知った日から3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料が課されます。
過料は刑罰ではないので前科にはなりませんが、そんなペナルティは受けたくないですよね。
遺言書によって土地を譲り受けたケース
他にもあなたが誰かの遺言書によって土地を譲り受けたとしましょう。
この場合も、不動産取得を知った日から3年以内に相続登記をしないと過料の対象となります。
遺産分割協議によって不動産の所有権を取得したときも同じです。
遺産分割の日から3年以内に登記しなければなりません。
それ以外の注意ポイント
上記でお伝えしたことに加え、さらに重要なポイントがあります。
相続だけでなく、引っ越し時や結婚時の住所変更や氏名変更も、2年以内に登記申請しなければ5万円以下の過料が課されてしまうのです。
うっかり忘れてしまいそうな住所変更や氏名変更ですが忘れずに変更登記しましょう。
☆気を付けなければいけないポイントがもうひとつあります。
それは今回の義務化「以前」から相続登記をしていない不動産についても放置を続けると罰則の対象になってしまうことです。
なので、もし心当たりがあれば不動産の権利関係を見直してみましょう。
自分の土地に泣かされる前に!
土地や建物を所有者不明のままにしておくことのデメリットは過料だけではありません。
よくあるのが不動産売買を行う際に困るケースです。
所有者不明で不動産売買の際
不動産売買時には、必ず「登記簿謄本」を取って所有者の確認が行われます。
しかし、相続登記や登記名義人の住所変更登記がされていなければ、買主は取引に応じてくれません。
他にも、金融機関から融資を受ける際に担保として土地を提供しようとしても、名義人が違ったり住所が一致しなければ金融機関はその融資を拒みます。
また、土地上に建物を建てる際もハウスメーカーは土地所有者の名義を確認します。
遺言執行時にもトラブルが発生します。
所有者不明の不動産では、相続対象となる財産として正しく特定されず、遺言の内容の一部が無効になってしまったり、場合によっては遺言全体が無効になってしまうケースもあるのです。
さらに、共同相続人のうち借金を抱える人がいた場合、その不動産を差し押さえられてしまうこともあります。
まとめ
このように、土地の相続登記や住所変更登記をせずに所有者不明のままにしておくことは、罰則だけでなく多くの不利益が生じます。
そして、相続登記を先延ばししていると事態は更に複雑化します。
数十年登記を放置した場合、相続人の数は膨張します。
相続人が100名を超すなんてことも珍しくはないのです。
そのような場合、個別の合意が必要になったり裁判手続きを経ることも多く名義変更手続きに数年の期間を要することもあります。
相続登記は放置に気づいた時点ですぐに問題の対処をしなければなりません。放置は事態を悪化させます。
そして最悪の場合、自分や身近な人々に不幸をもたらす恐ろしい事態につながっているのです。
そんなことになる前に節目節目で土地の名義を見直してみるのもいいかもしれません。
しかし、登記をする時間もないし、名義変更をしても買ってくれる人が見つからない。
また、もし買い手が見つかっても値段がつかないという方も多いと思います。
そんなときのために相続土地国庫帰属法があります。
相続人の管理負担を軽減できるよう国が土地を引き取ってくれるのです。
まずは、不動産を売却したいという方は相続登記を行うために、登記の専門家である司法書士に相談しましょう。
相続手続きサポートのご案内
相続に関して、以下のようなことにお悩みではありませんか?
相続登記を放置していると大変です!
相続手続きをしていないことによるデメリットや気を付ける事がたくさんあります。
まだ相続手続きをしていない方は早めの手続きが重要です。
当事務所は、上記のようなことでお困りのお客様の相続のお悩みにお答えします。
相続登記(相続不動産の名義変更)とは
相続登記をしないと、将来、相続人同士のトラブルに繋がるため、早めの手続きが必要です!
相続の名義変更とは、不動産(家や土地)の所有者が亡くなった際に、その不動産の登記名義(持ち主)を被相続人(亡くなった方)から相続人へ変更することを言います。
つまり、被相続人名義の不動産を、相続人が相続(取得)した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続き、これを「相続の名義変更(相続登記)」といいます。
ですが、相続人の名義に不動産の名義変更をするには、不動産の所在地を管轄する法務局に”相続により名義が変更されたこと”を報告しなければなりません。
当事務所では、「忙しくて相続登記の手続きをしている時間がない」「不動産の名義変更は複雑で分からない」といった相続人の方に代わり、相続登記の手続きを代行しております。
当事務所では、相続登記に必要な「戸籍の収集」や「遺産分割協議書の作成」、「相続登記申請」などを代行いたします。
詳しくは「不動産の名義変更(相続登記)が必要な理由」をご覧ください>>
詳しくは「不動産の名義変更(相続登記)の手続き」をご覧ください>>
ご自身で不動産の名義変更(相続登記)を進めるのは大変です
不動産の名義変更(相続登記)をご自身で進めるのは非常に苦労します。
なぜなら、下記の作業をご自身で、ミスなく進めていただく必要があるからです。
不動産の名義変更(相続登記)申請の実施内容
※すでに戸籍収集を実施し、相続人を全員把握し、全相続人から遺産分割協議書を取りまとめている状態から相続登記をする場合です。
戸籍収集や遺産分割協議書のとりまとめまでの作業をご自身で進めるのは時間もかかりますし、ミスする可能性もありますので、注意が必要です。
不動産の名義変更(相続登記)は、法務局に申請して、平均して1週間前後で完了いたします。
相続関係が複雑な場合、すべての手続きが終わるまで2か月弱かかってしまいます。
相続登記申請を実施するために必要な書類を全てもれなく提出する必要があります。
なお、集めた戸籍などの書類に不備があると、再度収集が必要にあります。
相続する不動産の固定資産評価証明書を役所の資産税課から、相続する物件の登記事項証明書を法務局から取り寄せます。
不動産の名義変更(相続登記)申請の際に、登録免許税を支払う必要があります。
また、金額を「登録免許税」の欄に記載するため、固定資産評価証明書から登録免許税を算出し、記載しなければなりません。
法務局に必要書類と登録免許税の分の収入印紙を持参し、登記申請の手続きを行います。
申請後、1~2週間で不動産の名義変更(相続登記)は完了しますが、法務局から完了連絡はありません。
正常に完了したかどうかを、法務局から不動産登記事項証明書を取得することによって確認します。
当事務所の相続登記サポートの流れ
相続登記をするための必要書類はたくさんあります
当事務所の相続登記に関する相談事例
相続登記の解決事例
■約30年前に亡くなった米国籍の方が所有する不動産の相続登記の解決事
■建物をリフォームすることを検討している物件の相続登記の解決事例
■遺産分割協議時と相続人の苗字が変更されていた場合の相続登記の解決事例
当センターが選ばれる理由
専門家への相談を迷っている方へ
相続登記の無料相談実施中!
土地や建物の名義変更など相続登記に関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは0120-991-880になります。お気軽にご相談ください。
当事務所の相続登記サポート
お客様のご要望に応じて2つのプランをご用意しています。
まずは無料相談をご利用ください。
「登記申請だけリーズナブルにやってもらいたい」
「不動産の名義変更に必要な手続きを全て任せたい」
など、お客様のご要望に応じて複数のプランをご用意しています。
ご提供プラン
① まず何からはじめてよいかわからない ⇒ 無料相談をご利用ください。
※ 勝手に手続きを進めることはありません。納得いただいた上でご依頼いただけます。
② 相続登記の申請だけリーズナブルにやってほしい ⇒ 相続登記節約プラン:41,800円~(税込)
③ 不動産の名義変更に必要な手続きを全て任せたい ⇒ 相続登記お任せプラン:99,000円~(税込)
各プランの詳細は以下をご覧ください。
相続手続きサポートの費用
相続登記サポートの費用
項目 | 相続登記 節約プラン |
相続登記 お任せプラン |
---|---|---|
無料相談 | 初回 | 何度でも |
被相続人の出生から死亡までの戸籍収集 ※1 | × | 〇 |
相続人全員分の戸籍収集 ※1 | × | 〇 |
収集した戸籍のチェック業務 ※2 | 〇 | 〇 |
相続関係説明図(家系図)作成 | × | 〇 |
遺産分割協議書作成(1通) ※7 | × | 〇 |
相続登記(申請・回収含む) ※3、4、5、6 | 〇 | 〇 |
不動産登記事項証明書の取得 | 〇 | 〇 |
預貯金の名義変更※9 (預貯金の名義変更までまるごと依頼したい方は こちらをクリック>>) |
× | × |
パック特別料金 | 41,800円~(税込) | 99,000円~(税込) |
※1 戸籍収集は4名までとなります。以降1名につき4,400円(税込)頂戴致します。
※2 戸籍に不足がある場合、1通につき2,200円(税込)を頂戴致します。
※3 相続登記料金は、「不動産の個数(筆数)が3以上の場合」「複数の相続が発生している場合」には、追加料金をいただきます。
※4 不動産の評価額により、料金に変更が生ずる場合がございます。
※5 不動産が多数ある場合、不動産ごとに相続人が異なる場合は、申請件数が増えますので別途加算されます。
※6 当事務所の報酬とは別に登録免許税(固定資産評価額の0.4%)が必要になります。例えば、不動産の評価額が2,000万円の場合、国への税金として2,000万円×0.4%=80,000円が別途掛かります。
※7 遺産分割協議書のみの作成ご依頼の場合の費用は、22,000円~(税込)になります。また、遺産分割協議書に不動産以外の内容を記載する場合は別途費用が発生します。
※8 司法書士が被相続人名義の不動産をご依頼いただいた市町村にて調査いたします。
相続手続き丸ごと代行サービス(遺産整理・遺産承継業務)の費用
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相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
500万円以下 | 27.5万円(税込) |
500万円を超え5000万円以下 | {価額の1.32%+20.9万円}(税込) |
5000万円を超え1億円以下 | {価額の1.1%+31.9万円}(税込) |
1億円を超え3億円以下 | {価額の0.77%+64.9万円}(税込) |
3億円以上 | {価額の0.44%+163.9万円}(税込) |
不動産の相続手続きでよくあるご質問
相続手続きにはどんな種類がありますか?
相続手続きは、必ず実施するものと必要に応じて実施するものに大別されます。必ず実施するものは、「相続人調査」「相続財産調査」「遺言の有無の調査」「遺産分割協議」「相続財産の名義変更」「遺産分割協議書及び遺言の内容に従って相続財産の分配」があげられます。これらの手続きは、どんなパターンの相続手続きにも実施が必要な内容です。
また、必要に応じて実施するものには「相続放棄・限定承認」「故人の所得税の準確定申告」「遺言の検認」「相続税申告」があげられます。
正直言って面倒なのですが、相続した不動産の名義変更手続き(相続登記)は必ずやるべきでしょうか?
相続した不動産の名義変更は必ず実施すべきでしょう。故人が不動産(家屋、土地、収益不動産など)を所有していた場合、その不動産は死後には相続人全員で共有していることになります(共有名義不動産)。
これは、「その不動産を相続人みんなのもの」として取り扱われることになり、例えば空き家になったから売却しよう、と思っても、不動産を共有している全ての相続人の同意を得ないと売却することができなくなります。さらに、共有状態のまま次の相続が発生する(つまり相続人のうちの誰かが亡くなる)と、共有の範囲がその故人の相続人にどんどん広がり、余計に相続した不動産の譲渡や処分などの手続きが困難になっていきますので、必ず相続した不動産は名義変更(相続登記)を実施しましょう。
相続した不動産の名義変更(相続登記)に期限はありますか?
相続した不動産の名義変更には期限はありません。ですが、上記の項目でも説明した通り、名義変更を実施しないと、以降の不動産の譲渡や処分を実施することに支障をきたす可能性が高いため、早めの手続きを実施することをおすすめいたします。
相続した不動産の名義変更について>>
相続手続きを放置していると大変なことになります。詳しくはこちら>>
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この記事を担当した司法書士
司法書士法人・行政書士法人 エムコミュー
代表
小野 圭太
- 保有資格
司法書士 行政書士 民事信託士
- 専門分野
-
相続・遺言・民事信託・不動産売買
- 経歴
-
司法書士法人・行政書士法人エムコミューの代表を勤める。 平成25年12月に「司法書士法人・行政書士法人エムコミュー」を開業。相談者の立場に立って考える姿勢で、「ご家族の絆を一番に!」を事務所の理念 にしており、お客様の家族まで幸せを考えた提案をモットーにしている。また、相続の相談件数1200件以上の経験から相談者からの信頼も厚い。